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近年、口腔内に装着された歯科金属によりアレルギーを発症する患者さんが増えています。
その症状は全身から、局所、特に口腔内に限局するものまで様々です。
例えば図1は口腔内に装着されたクラウン内部のメタルコア(金属製鋳造体)中の成分が溶出し
アレルギーを発症した例です。図2


図1:金属アレルギー症例(口腔内)
スズ(Sn)アレルギー
図2:金属アレルギー
(全身症状)
東京医科歯科大学歯学部アレルギー外来で歯科金属によるアレルギーの発症を疑う来院患者
(5年間)にパッチテスト(閉鎖性単純皮膚貼付試験)っを行い、成分金属別に陽性率を調査した結果
図3
水銀(Hg)
ニッケル(Ni)
コバルト(Co)
クロム(Kr)
スズ(Sn)
(五大アレルゲン)などが高頻度でアレルギーを生じていることが明らかになりました。

図3:金属元素別陽性患者数
(1998−2002)
また、天然歯に近づけることを目的とした審美修復では、金属を使用しない歯冠修復処置を
行うことが理想です。
その場合、カリエス(虫歯)等により歯内療法を余儀なくされた歯牙にメタルコアを装着すると
光線透過性の違いから、たとえ歯間部にオールセラミックスの修復物を装着しても、天然歯と
同様の光透過性は得られません。その為、その審美性が低下してしまいます。
また、コアの金属が溶出して歯肉に変色を生じたり図4、5歯根に金属成分が溶け出して
変色してしまう事もあります。図6

図4:歯肉変色
前歯歯冠修復物マージンよりメタルコア
の金属が歯肉に溶出

図5:メタルタトゥー
メタルコアからの金属の溶出による
金属タトゥー
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図6:歯根変色
歯根部にメタルコアから溶出した
金属成分
またさらに、歯内療法が成功していても、長期臨床経過を追うと歯根の破折を生じてしまう事も
少なくありません。図7
臨床で歯根破折を生じる原因はいろいろ考えられますが、メタルコアを装着した場合の問題点は
どこにあるのでしょうか?
そもそも金属と象牙質の弾性率がかなり違う為図8、咬合力を受けた象牙質部分に金属が楔のように
作用して破折が生じたり、メタルコアにする為の便宜的な歯質削除量が多い為、歯根部の強度を犠牲に
した結果、破折を誘発してしまうことが最大の問題点です。
図7:歯根破折
メタルコアにより生じた歯根破折


図8:象牙質と金属(金銀パラジウム合金)と
ファイバーコアの弾性率比較
このように様々な臨床的問題点が指摘されているメタルコアの代わりに最近注目されているのが
歯冠色レジンコア材と併用する
ファイバーポストです。
日本では2003年に厚生労働省が認可してから、象牙質との弾性率が類似している為に歯根破折を
生じにくく、審美的にも優れたポスト材料として注目されています。
ファイバーポストを用いた例とイメージ

@ポストの形成をします

Aファイバーポストを植立しました

@ポストの形成をします

Aファイバーポストを植立しました

審美歯科修復物とファイバーコアのイメージ
このように形成されたファイバーポストを使用した



・水銀(Hg) 80
・ニッケル(Ni) 28
・コバルト(Co) 27
・クロム(Cr) 24
・スズ(Sn) 50
・パラジウム(Pd) 46
・白金(Pt) 78
・亜鉛(Zn) 30
・金(Au) 79
・イリジウム(Ir) 77
・カドミウム(Cd) 48
・鉄(Fe) 26
・マンガン(Mn) 25
・モリブデン(Mo) 42
・インジウム(In) 49
・銅(Cu) 29
・アンチモン(Sb) 51
・銀(Ag) 47
元素番号
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